日立から、グリルレスのビルトインIHクッキングヒーター「ZA10Tシリーズ」が登場します。
ZA10Tシリーズは、魚焼きグリルをなくしたすっきりとしたデザインが大きな特長。排気口が目立ちにくい「エアラインパネル」を採用しており、キッチンの見た目にこだわりたい方にも注目のモデルです。
ただ、「グリルがなくても困らない?」「魚は焼ける?」「調理機能は十分?」など、購入前に気になることもありますよね。
結論からいうと、ZA10Tシリーズは、魚焼きグリルをあまり使わず、キッチンのデザイン性やお手入れのしやすさを重視したい方に向いています。
グリルはありませんが、左右IHの「適温調理」を使えばフライパンで魚を焼くこともできます。
一方、普段から魚焼きグリルをよく使う方や、グリルをトーストなどに活用している方は、グリル付きIHも含めて検討したほうがよいでしょう。
この記事では、日立IHクッキングヒーター ZA10Tシリーズについて、公開されている公式情報をもとに、デザインや調理機能、購入前に知っておきたい注意点までわかりやすくレビューします。
※ZA10Tシリーズは2026年11月1日デビュー予定のため、この記事は実機を使用したレビューではありません。公開されているメーカー情報をもとに特長や選び方を紹介しています。
日立IHクッキングヒーター ZA10Tシリーズをレビュー
日立のZA10Tシリーズ「MUTRAL(ミュートラル)」は、3口IHを搭載したトッププレート幅60cmのグリルレスIHクッキングヒーターです。
一番のポイントは、グリルをなくすことで実現したすっきりとしたデザイン。
一般的なビルトインIHにあるグリル部分がなく、排気口には「エアラインパネル」を採用しています。
そのため、
・キッチンをできるだけすっきり見せたい
・魚焼きグリルをほとんど使わない
・グリルのお手入れをなくしたい
・鍋やフライパンを使った調理が中心
という方には、特にチェックしてほしいIHです。
グリルがないからといって、魚が焼けないわけではありません。
左右IHの「適温調理」を利用して、フライパンで魚を焼くことができます。公式では魚の種類に合わせた10種類の魚焼きレシピも用意されています。
一方で、グリルそのものを使った調理はできません。
ZA10Tシリーズを選ぶときは、単純に「グリルレスだからおしゃれ」と考えるのではなく、普段どのくらいグリルを使っているかを基準に判断するのがおすすめです。
ZA10Tシリーズの基本スペック
ZA10Tシリーズには、マットブラックとシルバーの2モデルがあります。
基本的な調理性能は共通しているため、キッチンとのコーディネートやカラーの好みから選びやすくなっています。
| 項目 | HT-ZA10KTF(K) | HT-ZA10STF(S) |
|---|---|---|
| シリーズ | MUTRAL(ミュートラル)ZA10Tシリーズ | |
| トッププレート幅 | 60cm | |
| カラー | マットブラック | シルバー |
| ヒーター | 3口IH(鉄・ステンレス対応) | |
| 左右IH | 100W相当~3.2kW・9段階 | |
| 中央IH | 100W相当~1.6kW・7段階 | |
| グリル | なし | |
| 操作部 | 4.3インチ フルドット液晶 | |
| 適温調理 | 焼き物120~250℃・揚げ物140~200℃ | |
| 総消費電力 | 5.7kW | |
| 質量 | 約10.0kg | |
| デビュー予定 | 2026年11月1日 | |
左右IHは最大3.2kW、中央IHは最大1.6kWです。
また、焼き物・揚げ物の「適温調理」をはじめ、「おまかせIH」や麺ゆで、煮込み、炊飯、保温、湯沸かしなどの調理機能も搭載されています。
なお、公式サイトには事業者向けの積算見積価格として、HT-ZA10KTF(K)が319,000円(税込)、HT-ZA10STF(S)が308,000円(税込)と掲載されています。
これは一般消費者向けの販売価格ではなく、配送・設置調整・部材・工事などの費用も含まれていません。
実際に購入するときは、販売店で本体価格と設置費用を含めた最新の価格を確認してください。
ZA10Tシリーズを5つのポイントからレビュー
ここからは、ZA10Tシリーズの注目したいポイントを詳しく見ていきましょう。
スペックだけではわかりにくい「どんな人にメリットがあるのか」もあわせて解説します。
グリルレスですっきりしたデザイン
ZA10Tシリーズの大きな特長は、なんといっても魚焼きグリルをなくしたグリルレスデザインです。
一般的なビルトインIHは、本体前面に魚焼きグリルが配置されています。
ZA10Tシリーズにはこのグリルがないため、本体前面がすっきりしています。
さらに、トッププレートには薄形フレームを採用。
マットブラックのHT-ZA10KTF(K)とシルバーのHT-ZA10STF(S)が用意されているので、キッチンの雰囲気に合わせて選べます。
特に「魚焼きグリルはほとんど使わないのに、掃除は必要になる」と感じていた方にとって、グリルそのものをなくしたZA10Tシリーズは検討しやすい選択肢でしょう。
ただし、デザインだけでグリルレスを選ぶのはおすすめしません。
グリルで魚を焼くことが多い方や、グリルをトーストなどに活用している方は、普段の調理方法が変わることになります。
見た目だけでなく、現在のグリル使用頻度も確認してから選びましょう。
エアラインパネルで排気口が目立ちにくい
トッププレートのデザインで注目したいのが「エアラインパネル」です。
ZA10Tシリーズでは、排気口を目立たせにくい一枚プレート形状のエアラインパネルを採用しています。
本体の後ろ側まで含めてすっきり見せやすいので、キッチンのデザインにこだわりたい方にはうれしいポイントです。
また、エアラインパネルは取り外して清掃できます。
リビングにも配慮した排気設計になっているため、対面キッチンなどでIHの見た目や排気が気になっていた方にも注目したい仕様です。
ZA10Tシリーズはグリルをなくすだけでなく、排気部分まで含めてキッチン空間になじみやすく設計されているのが魅力です。
グリルがないぶんお手入れする場所を減らせる
グリルレスには、デザイン以外のメリットもあります。
それが、グリルのお手入れが必要なくなることです。
魚焼きグリルを使うと、受け皿や焼き網、庫内などの汚れが気になることがあります。
ZA10Tシリーズにはグリル自体がないため、グリルを掃除する必要はありません。
トッププレートもすっきりした形状で、調理後は汚れを拭き取りやすくなっています。
もちろん、トッププレートやエアラインパネルなど日常的なお手入れは必要です。
それでも、「ほとんどグリルを使わないのに、グリルまわりの掃除が気になる」という方なら、グリルレスのメリットを感じやすいでしょう。
グリルがなくてもフライパンで魚を焼ける
グリルレスと聞いて、一番気になるのが「魚はどうやって焼くの?」という点ではないでしょうか。
ZA10Tシリーズでは、左右IHの「適温調理」を使ってフライパンで魚を焼けます。
適温調理は、設定した温度をキープするように火力を自動調整してくれる機能です。
日立はフライパンを使った魚焼きレシピとして、
・塩ざけ
・塩ざけ(冷凍)
・塩さば
・塩さば(冷凍)
・あじの開き
・ししゃも
・さんまの塩焼き
・あじの塩焼き
・たいの塩焼き
・ぶりの照り焼き
の10レシピを公開しています。
魚の種類に合わせた焼き方や温度、調理時間の目安を確認できるのも便利です。
ただし、「フライパンで魚を焼ける」ことと「魚焼きグリルがある」ことは同じではありません。
グリルを使った調理が必要な方は、グリル付きIHを選んだほうが使い方に合っています。
4.3インチ液晶とピクトグラムで操作部もすっきり
ZA10Tシリーズは、操作部のデザインにも工夫があります。
4.3インチのフルドット液晶を搭載し、左右・中央IHの設定や運転状態をひとつの画面で確認できます。
また、操作部には機能をイメージしやすい「ピクトグラム(絵記号)」を採用。
弱火・中火・強火をワンタッチで切り替えるボタンも用意されています。
ZA10Tシリーズは単にグリルをなくしただけではなく、排気口や操作部まで含めて、すっきり見せることを意識したモデルといえるでしょう。
ZA10Tシリーズは調理機能もしっかり搭載
ZA10Tシリーズはデザイン性が目を引くIHですが、普段の料理をサポートする調理機能も搭載されています。
「見た目は気に入ったけれど、調理機能が少ないのでは?」と気になる方は、普段よく使う機能があるか確認しておきましょう。
左右IHは最大3.2kW
ZA10Tシリーズは3口すべてがIHです。
左右IHは100W相当~3.2kWの9段階、中央IHは100W相当~1.6kWの7段階で火力を調節できます。
ただし、左右IHそれぞれの最大火力3.2kWを同時に使用することはできません。
また、複数のIHを同時に使用すると、総消費電力を超えないように自動的に火力が制限される場合があります。
本体内部の回路を保護するため、左右IHの火力「9」を連続して使用できる時間も最大約10分で、それを超えると自動的に火力「8」へ下がります。
複数の料理を同時に強い火力で調理するときには覚えておきたいポイントです。
焼き物・揚げ物に便利な「適温調理」
左右IHでは「適温調理」が使えます。
適温調理は、設定した温度をキープするように火力を調整してくれる機能です。
焼き物は120~250℃、揚げ物は140~200℃の範囲で設定できます。
ハンバーグなどの焼き物や揚げ物だけでなく、先ほど紹介したフライパンでの魚調理にも活用できます。
火力の強弱だけではなく、温度を設定して調理できるのがポイントです。
なお、適温調理や各種便利メニューには、使用できる鍋・フライパンの材質や大きさなどに条件があります。
手持ちの調理器具をそのまま使えるとは限らないため、購入後は取扱説明書などで対応する鍋を確認しましょう。
ゆで卵は「おまかせIH」に対応
ZA10Tシリーズには「おまかせIH」も搭載されています。
対応メニューは「ゆで卵」です。
鍋に卵と水を入れ、「ゆで卵」のメニューと時間を選んでスタートすると、火加減を自動で制御。沸騰後は自動的に火力を弱めて、ひび割れを抑えながら調理します。
公式で紹介されている卵3~4個の場合の目安は、
・半熟:約10分
・ふつう:約12分
・固ゆで:約15分
です。
使用する鍋や卵の数・大きさによって目安時間は変わりますが、ゆで卵を作るときの火加減調節を任せられるのは便利ですね。
麺ゆで・煮込み・炊飯などにも対応
ZA10Tシリーズには、普段の料理に使いやすい「IH便利メニュー」も用意されています。
左右IHでは「麺ゆで」と「煮込み」、中央IHでは「炊飯」と「保温」に対応。
「湯沸かし」は左右・中央IHで使えます。
グリルをなくしたモデルではありますが、IH部分の調理機能までシンプルになっているわけではありません。
グリルを使わず、鍋やフライパンを中心に料理する方なら、こうした調理サポート機能を活用しやすいでしょう。
ZA10Tシリーズを購入する前に確認したい注意点
ZA10Tシリーズはグリルレスならではの魅力がある一方、一般的なグリル付きIHとは使い方が異なります。
購入してから「思っていた使い方ができなかった」とならないよう、特に次の点は確認しておきましょう。
魚焼きグリルは搭載されていない
最も重要なのは、ZA10Tシリーズには魚焼きグリルがないことです。
適温調理を使ってフライパンで魚を焼くことはできますが、グリル調理ができるという意味ではありません。
普段から、
・魚をグリルで焼くことが多い
・グリルでトーストを焼いている
・グリルをさまざまな料理に活用している
という方は注意が必要です。
反対に、現在使っているIHにグリルがあっても「ほとんど使っていない」という方なら、グリルレスのデメリットは小さくなります。
ZA10Tシリーズを選ぶかどうかは、今の生活でグリルをどのくらい使っているかを一度振り返ってから決めるとよいでしょう。
オールメタル対応ではない
ZA10Tシリーズは「3口IH・鉄・ステンレス対応」です。
オールメタル対応IHではありません。
そのため、鍋の材質や形状によっては使用できない場合があります。
さらに、おまかせIHやIH便利メニューでは、使用する鍋の大きさや形状などに条件があります。
現在使っている鍋やフライパンを引き続き使いたい方は、購入前に対応条件を確認しておくと安心です。
設置には単相200Vの電源工事が必要
ZA10Tシリーズの電源は単相200Vで、総消費電力は5.7kWです。
日立は、設置には単相3線式200Vの電源工事が必要と案内しています。
本体価格だけでなく、現在のキッチンや電源環境によって必要になる工事も含めて確認しておきましょう。
グリル付きIHから交換するときは設置条件を確認
リフォームやIHの買い替えでZA10Tシリーズを検討している方は、グリルがあった部分についても確認が必要です。
日立では、グリル付きビルトインIHクッキングヒーターやガスコンロから交換するときのグリル開口部用として、別売の「グリルレス(Zシリーズ)専用パネルセット HT-PSZ1S」を用意しています。
希望小売価格は43,780円(税込)です。
ただし、どのキッチンにも取り付けられるわけではありません。
設置にはキッチン側の木部への固定が必要で、日立は木部がない金属製などのキッチンには取り付けできないと案内しています。
そのため、既存のIHやガスコンロから交換する場合は、本体が入るかどうかだけで判断せず、現在のキッチンに設置できるか、専用パネルが必要になるかまで施工店や販売店に確認しておくことが大切です。
本体以外の部材や工事費が必要になる可能性もあるため、設置まで含めた費用を確認してから購入しましょう。
ZA10Tシリーズがおすすめな人
ここまでの特長や注意点を踏まえると、ZA10Tシリーズは次のような方におすすめです。
・キッチンのデザインにこだわりたい方
・魚焼きグリルをほとんど使わない方
・グリルのお手入れをなくしたい方
・鍋やフライパンを使った料理が中心の方
・フライパンで魚を焼くことに抵抗がない方
・マットブラックやシルバーのすっきりしたIHを選びたい方
特に相性がよいのは、「グリルは使わないから、そのぶん見た目やお手入れのしやすさを重視したい」という方です。
反対に、グリルを頻繁に使う方にはおすすめしにくいモデルです。
魚をフライパンで焼けるとはいえ、グリルとフライパンでは調理方法が異なります。
また、オールメタル対応が必要な方も、ZA10Tシリーズ以外を含めて検討したほうがよいでしょう。
ZA10Tシリーズは、新しいモデルだから誰にでもおすすめという商品ではありません。
グリルを必要とするかどうかが、選ぶときの大きな分かれ目になります。
まとめ:ZA10Tシリーズはデザインとお手入れのしやすさが魅力のグリルレスIH
日立のZA10Tシリーズは、魚焼きグリルをなくし、すっきりとしたデザインとお手入れのしやすさを追求したビルトインIHクッキングヒーターです。
グリルはありませんが、適温調理を使ってフライパンで魚を焼くことができ、ゆで卵や麺ゆで、煮込み、炊飯などをサポートする機能も用意されています。
一方、グリル調理はできず、オールメタルにも対応していません。買い替えの場合は、現在のキッチンによって専用パネルや工事が必要になる可能性もあります。
ZA10Tシリーズを選ぶときの一番の判断基準は、**「魚焼きグリルがなくても困らないか」**です。
普段からグリルをほとんど使わず、鍋やフライパン中心で料理をしているなら、グリルレスによるすっきりしたデザインとお手入れのしやすさを活かしやすいでしょう。


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